今、なぜヘンテナなのか。

 昔々あるところに、アンテナの実験をしている人がいました。ダイポールアンテナに導波器を付け、それにまた反射器を付け、マッチングを取るために、ホールデットダイポールにし、成功した人がいます。今では誰もが知っている、ビームアンテナで、一般家庭用テレビに96%普及しています。このアンテナは第二次世界大戦中、広島爆撃の原子爆弾に搭載され、地上との距離を測定するのに使われました。これは日本人の発明によるものです。

 話は変わりますが、このヘンテナも日本人が考え出したものです。数多くのアマチュア無線家により実験され実用化されています。50MHzの1エレヘンテナが最初のようです、その優秀さの為にV,UHFでは多段エレメントになりました。

 そこで何故ヘンテナなのか?考えてみよう、基本は1/2λダイポールアンテナです。これに導波器を8本、反射器を1本で10エレメント八木アンテナが出来ます。この時、ダイポールアンテナのインピイダンスは各エレメントの影響を受け75オームからどんどん下がります。マッチングに細工が必要になります。

 キュビカル・クワッドはループですから、1/2λが2本で1エレメントに成ります。これもこのままではマッチングが取れないので細工が必要です。ただし1エレメント当たりの利得はダイポールアンテナより多いのです。両端開放タイプ(ダイポール)より周囲の影響は少ないようです。

 ヘンテナの場合は1/2λが2本と1/6λが3本で1エレメントになります。1エレメント当たりの利得はさらにダイポールアンテナより多いのです。構造は複雑ですが、なんと言ってもマッチングが楽なのです。1エレメントでも働きますし、2エレメントでも3エレメントでも4、5、6,7、でもほぼ、そのままで使用できます。
 利得は八木アンテナと比べ1エレメント×2倍と言われていますが、実際はそれに×0.9ぐらいと思われる。7エレヘンテナは八木アンテナに直すと7×2×0.9=12.6エレ位でしょう。そこで最大の違いはブームの長さが同じ利得の八木アンテナと比べ、約半分になります。それと偏波面の乱れに強いのです。これは構造の違いによるものと思われる。

アマチュア無線の場合は相手のアンテナを見ながら交信する事は、よほど条件が良くない限りありません。50MHzにおいて固定局がバーチカル、モービル局もバーチカルの場合、交信しながら家に着き固定から水平ビームアンテナで向けると、思いのほか強く成りません。かえって弱く成りますね、これは偏波面の違いによるもので電波が届いていない訳ではありません。ちなみに垂直偏波を水平偏波で受信すると−30dbから−40dbの差が認められます。これはSが+20dbの局がS5位に落ち込む事になります。これはとんでもない値です。反射などによる、偏波面の乱れを拾っているにすぎないのです。理論的にはまったく聞こえなくなるでしょう。

ヘンテナは同じ利得の八木アンテナと比べて、コンパクトになり、又反射などによる偏波面の乱れに対して強いのです。       SA-684を使用しとんでもない,ロウパワーDX記録を打ち立てた人がいます。   

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